家族

父の月命日には、誰が言い出したともなく家族が集まる習慣になっている。

冷房の効いたデパ地下で、私は考え込んでいた。
実家に持っていく手土産を、何にしようか悩んでいるのだ。

姉は多分手作りのロールケーキかなんかを持ってくる。妹は自分の食べたい超甘いケーキ。母は大量の海老煎餅を用意していると思う。
よし、それなら水羊羹にしよう。
紅い金魚が泳いでいる、可愛い水羊羹を買った。

「あれ、あんたも水羊羹?」
母が素っ頓狂な声を上げる。
姉は手作りの水羊羹。妹も小豆がずっしり入った水羊羹。母は竹筒に入った水羊羹。
「お父さんもこれじゃ飽きちゃうわねぇ。」
仏壇に山と積まれた水羊羹。くすくす笑いながら、私達はお線香を上げた。